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試合前にやるべきゴールキーパーGKのウォーミングアップとは!?
ゴールキーパーGKはあらゆるポジションの中で最も重要なポジションの1つです。
しかしながら、多くのチームのゴールキーパーGKが試合前に適切なウォーミングアップができていないのが実状でしょう。
というのも、多くの方々が試合前のウォーミングアップを軽視し、
「なんとなく体が温まればいいかな?」程度に考えてしまっているというのが理由でしょう。
試合前はいつものようにストレッチして、キャッチングして、シュート練習に入る。
そのなんとなくでは、あなたのパフォーマンスを最大限発揮するのは難しいかもしれません。
とりあえず、シュート練習に入って、ドリブルで切り込んでくる選手のシュートを受ける。
もしそれが正しいウォーミングアップだと考えているのであれば、
それは間違えだと言わせてもらいます。
ここでは、ゴールキーパーのあなたが試合で100%のパフォーマンスを発揮するための
正しいウォーミングアップについてお話できればと思います。
ウォーミングアップで大切な考え方
ご存知の通り、ゴールキーパーGKはとても特殊なポジションです。
そして、レベルの高いゴールキーパーは、高い技術力を有するだけでなく、強いメンタルを持つ必要があります。
海外のスポーツ業界にはこんな名言があります。
"Practice does not make perfect. Only perfect practice makes perfect."
直訳するとこんな感じですかね?
「練習は(あなたを)完璧にしません。完璧な練習だけが(あなたを)完璧にするのです。」
なんとなくの練習・ウォーミングアップと、1つ1つに意味をもち、こだわられたそれとでは、全くもって効果が違います。
もしあなたが自分のパフォーマンスを最大限発揮すること、そして試合に勝つことを強く願うのであれば、
高いレベルの準備を行うこともまた、あなたの責務であることは間違いないでしょう。
ただのシュート練習をウォーミングアップでやるのはいけないの?
前提として、シュート練習を試合前に行うのは悪いことではありません。
ただし、そのタイミングとその意味を知っていることがとても重要なことになります。
ストレッチ、キャッチングを経て、シュート練習をした時に、
仮にそのシュートのほとんどがゴールを外れていたら?
または、ほとんどが正面へのシュートだったら?
そんな状況で、試合中に横ポストギリギリのシュートに対して自分の100%のパフォーマンスを発揮できるでしょうか?
また、シュート練習で来るシュートの大半がゴールに入ってしまったら?
それでは、いいイメージでは試合に入れないですよね?
こういった状態では、試合で一瞬の判断、反応が要求されるゴールキーパーGKにとって、いいウォーミングアップができたとは到底言えません。
1つのミスがチームの勝敗を分けるといっても過言ではなく、信頼と完璧がとても重要であるゴールキーパーGKにとって、試合前に完璧な準備をすることはとても大切なことになります。
そう考えた時に、フィールドプレイヤーとのシュート練習をメインのウォーミングアップにするのはあまり好ましく無いというわけです。
試合がある日の前に
試合前の準備の前に、試合がある日の前の準備について、少しだけお話ししたいと思います。
ここができていないで、試合前だけ頑張ろうとしても、あまり効果は無いかもしれません。
正直、特別難しいことではないですし、もしかしたらすでに実践されている方も多々いらっしゃるかと思いますので、もしあなたが今まで意識していなかったという場合は、次の試合の前からは実践するようにすると、とてもいいかと思います。
ここでは2つの試合前にやることについてお話しします。
1つ目が「適切な食事を十分取ること」。
これはすでに意識されているかもしれませんが、とても大切なことです。
どんなに練習して、いい準備をしようと思っても、いい食事を十分に取れていないと、高いパフォーマンスを発揮するのは、とても難しいでしょう。
2つ目が「試合前までのプロセスをイメージしておくこと」。
よく「試合で勝つこと」や「自分がスーパーセーブをしている姿」をイメージしていますという方がいますが、
それはあまりオススメしていません。
そういった「結果」をイメージしても、逆に本当に実現できるのかと不安になったりして、あまりいい効果は得られないということが心理学的に言われています。
なので、イメージするのは試合までのプロセスにするのが最も効果的です。
「朝起きて、歯を磨き、朝食を取った後に、音楽を聞いて気持ちを高める。」
「試合会場にいく電車の中では景色をみて、気持ちを落ち着かせる。」
「アップ前にチームメイトと何気ない話をしながら、着替える」
・・・
といったように、試合後の結果や試合中のプレーのような確証のないイメージをしておくのではなく、
試合が始まるまでのプロセスを意識しておくことを、試合がある日の前にイメージしておくことが、試合でいいパフォーマンスを発揮するにあたりとても効果です。
試合の前の日にやるべきことをまとめると、
1. 「適切な食事を十分取ること」
2. 「試合前までのプロセスをイメージしておくこと」
の2つです。
試合当日のウォーミングアップのやり方
では、実際に試合当日にやるウォーミングアップについてお話ししていきます。
当たり前のことも含めて、少し細かくなってしまうのですが、
できるだけわかりやすくお話できればと思います。
大枠は全部で7ステップです。
1ステップ目「ゆっくりとしたジョギングとストレッチ」
これは当然ですね。
いきなり激しく動き始めるのは、怪我のリスクが高いです。
体を地面に打ち付け、怪我をしやすいゴールキーパーGKは特に出だしのジョギングとストレッチを念入りにやっておくべきでしょう。
2ステップ目「軽いキャッチング」
十分にジョギングとストレッチをした後は、いよいよキャッチングを開始します。
もちろん、この段階では軽くボールを投げ合う程度で大丈夫です。
まずは、上半身の準備をしっかり整えていくのがこの段階での目的です。
3ステップ目「アジリティ系のウォーミングアップ」
キャッチングで上半身が十分に準備できたら、次は体全体がしっかりと動くようにアジリティ系のアップを行いましょう。
これも最初から全力でやる必要はありません。
マーカーなどを使い徐々に体を慣らしていくのが大切です。
体が温まってきたと思ったら、少しずつギアをあげていきましょう。
4ステップ目「ローリングダウン」
アジリティのアップが終われば、体を動かす準備はできたと言えるでしょう。
ここからいよいよゴールキーパーGKの基本的なアップを進めていきます。
ローリングダウンをやって、セービングの準備を整えていきましょう。
5ステップ目「ハイボール」
ローリングダウンが終われば次はハイボールです。
上に放られたボールに対するハイボールから初めて、
実際にクロスを蹴ってもらい、キャッチをするところまでやりましょう。
ここでの目的はあくまでクロスボールのキャッチングなので、
蹴る際のボールもゴールキーパーGKが取れるボールであることが大事です。
6ステップ目「ゴールキーパー用のシュート対応」
ここまできて、シュート対応(練習)をやります。
ただし、フィールドプレイヤーのシュート練習に入るのではなく、あくまでゴールキーパーGKのアップが目的のシュート練習です。
なので、決めるのを目的としたシュートではなく、「ギリギリ取らせる」ようなシュートである必要があります。
正面へのシュートから初めて、徐々にセービングさせるようなシュートにしていき、
最後まであくまでギリギリ取らせるシュートを蹴ることで、
ゴールキーパーGKにとって、最良のアップになります。
7ステップ目「キック(ゴールキック、パントキック)」
キックもゴールキーパーGKにとって必須のウォーミングアップです。
ただし、これについては必ずしも最後に行う必要はありません。
ステップ3以降の体を温めた状態であれば、いつ行っても問題ありません。
ここまでの流れをまとめると、以下のようになります。
1ステップ目「ゆっくりとしたジョギングとストレッチ」
2ステップ目「軽いキャッチング」
3ステップ目「アジリティ系のウォーミングアップ」
4ステップ目「ローリングダウン」
5ステップ目「ハイボール」
6ステップ目「ゴールキーパー用のシュート対応」
7ステップ目「キック(ゴールキック、パントキック)」
ここまでのステップを1つ1つ丁寧に質高く行えば、
十分に準備ができたと言えるでしょう。
ここまでくれば、最後にフィールドのシュート練習に入っても問題ないと思います。
最後に
少し長くなってしまいましたが、ここまでが
「試合前にゴールキーパーが行うべき正しいウォーミングアップ」
についてのお話になります。
いかがだったでしょう?
ここまで考えて毎回試合に挑めていたでしょうか?
ゴールキーパーGKは、試合の勝敗を大きく左右するとても責任重大なポジションです。
だからこそ、試合前の準備を丁寧に、質高く行うことがあなたの責任です。
全部をいっぺんに意識していくのは難しいかもしれません。
ただし、ここでお話したことのうち1つは最低でも次の試合から実践してみてください。
その1つを自分の習慣にすることをまずは第一目標にして、
1歩1歩確実に、自身のレベルを上げていってもらえれば幸いです。
確実にできるものとして、試合の日の前に行う
「試合前までのプロセスをイメージしておくこと」
がすぐに実践できると思うので、ぜひ次の試合前にやってみてください。
それでは、ここまでご覧いただき
ありがとうございました。